クレドとは、企業の信条や行動指針を簡潔に示した言葉です。ラテン語で「信条」を意味するクレド(Credo)に由来しています。クレドは経営判断や社員が現場で行う判断の指針となります。企業内や取引先、顧客との間に共有し、馴染ませることで効果を発揮するのです。
企業理念との違い
クレドは企業理念と似ていると感じる方もいらっしゃるでしょう。しかしクレドと企業理念には違いがあります。
企業理念は企業の存在意義や基本的な考え方を示したものです。創設時に定められることが多く、基本的には大きく変わらずに使い続けられます。また、企業理念はトップダウンで作られ、抽象的な文言が使われているケースが多くあります。
クレドは具体性のある文言で簡潔に作られており、社員に伝わりやすい言葉になっているのが特徴です。全社員で話し合いながら、ボトムアップで作られます。また、その時々の企業の状況に合わせ、クレドの内容を変えるケースもあります。
社員がコンプライアンスを守るようになる
クレドが普及した理由の1つに、企業の不祥事があげられます。2000年代に入り、企業の粉飾決算や検査データの改ざん、食品の産地偽装などの問題が報道されたことで、各企業はコンプライアンスに注力する必要に迫られました。
経営層だけでなく、社員一人ひとりがコンプライアンスを意識して行動するためには、普段からクレドを意識し、企業としての行動指針を理解しておくことが重要なのです。
企業を背負った人材の育成
一人ひとりの社員がクレドの内容を理解し、それを規範として行動するのが理想です。取引先や顧客に対して、企業を背負う者としてふさわしい振る舞い方を意識できます。その時々で適切な行動を心がけることは、社員の主体性の向上へとつながるでしょう。
IT関連の発達や物流の進歩など、これまで以上にスピード感を持って働くことが求められる時代です。日々の業務において、上層部の判断を待たずに現場レベルで考えて行動しなければならない場面も増えてきます。クレドを意識し、社員が経営層と同じ目線で状況を判断できるようになるのも、大きなメリットです。
社員のモチベーションアップ
日々の業務の中でモチベーションを保ちながら働ける環境の維持は、社員の能力を引き出すうえで欠かせません。クレドを意識しながら働くことで主体性を持って仕事ができるため、やらされている感がなくなりモチベーションアップにつながります。
モチベーションの維持には、携帯できるクレドカードの存在が重要です。仕事がうまくいかない時や落ち込んだ時にクレドカードを読み直すことで、自社の行動指針に沿った働き方を再認識できます。